ニュージーランドに住むフィジー・インディアン (インド系フィジー人)は、太平洋諸島民ではなくアジア人に分類されているため、保健や教育などの分野で支援サービスを受けられないでいると、地域社会のリーダーが指摘しました。
ニュージーランドのフィジー年季契約移民制度財団(Fiji Girmit Foundation)のクリシュ・ナイドゥ(Krish Naidu)会長(写真)は、フィジー・インディアンを太平洋コミュニティとして認めないことで、太平洋コミュニティが利用できる資源や支援を、彼らが利用できないようにしていると指摘しました。
太平洋諸島福祉担当大臣であるオピト・ウィリアム・シオ(Aupito William Sio)氏は、ニュージーランド統計局のフィジー・インディアンの分類は、太平洋諸島民ではなく、「アジア」に続いて「インド」の下位分類に該当すると述べました。
「StatsNZ(ニュージーランド統計局)の分類は…共通の言語、習慣、伝統を持つ人々を含む民族誌のプロファイルに沿ったものです。また、フィジー・インディアンの民族学的特徴は、太平洋の先住民のそれと類似したものではないと聞いています」とシオ氏。
しかし、マッセー大学の社会学者ポール・スプーンリー(Paul Spoonley)教授は、彼らの歴史と文化的アイデンティティから、フィジー・インディアンをパシフィカ(Pasifika:太平洋諸島出身者)として扱うことには強い根拠があると述べました。
「私自身は、フィジー出身者はパシフィカと分類しています。公式の統計がどのように収集されているのかが分かりにくいので、私はこれまでそうしてきました。」と、スプーンリー教授は述べています。
「インド人は様々なカテゴリーに分類され、『インド人』と答えた人が必ずしも『フィジー人』であるとは限りません。StatsNZは最善を尽くしていますが、出生地であるフィジーと民族分類、この場合はインド人ですが、これを結びつけることができない限り、多くは『アジア人』として分類されます。」
2018年の国勢調査では、約15,000人がフィジー・インディアンと認定されました。ナイドゥ氏は、フィジー・インディアンのコミュニティは今やこれよりはるかに大きく、太平洋地域からの2番目に大きな民族コミュニティであると考えていました。
Girmit財団は、フィジー・インディアンの遺産を持つ人々を代表し、擁護するために2013年に設立されました。同財団は、少なくとも次の国勢調査で分類を変更できるよう、正式な見直しを求めています。
「私たちの多くは、自分たちを太平洋諸島民の一員だと考え、認識しています。しかし、私たちの仲間がこのカテゴリーの支援を求めてドアを叩くと、手痛く追い返されるのです」とナイドゥ氏は語りました。
画像著作権:Fiji Girmit Foundation of New Zealand