ニュージーランド英語
ニュージーランド英語(Kiwi English)は、ニュージーランドの3つの公用語のうち、最も話されている言語です。残りの2つはマオリ語とニュージーランド手話です。この国の文化的背景と同様に、ニュージーランドの言語も世界中からの影響を受けた言語のるつぼです。
ニュージーランド英語の主な構成要素はイギリス英語から来ており、スコットランド(特にサウスランド地方)、アイルランド、オーストラリア、さらにアメリカ英語の要素も含まれています。しかし、ニュージーランドの北欧文化とマオリ文化が融合し、国家としてのアイデンティティを確立し始めると、マオリ語からの借用語が使われるようになってきました。
借用語
島で見られる豊富な動植物の名前には、マオリ語(Te Reo Maori)が広く使われています。その代表例が、国のシンボルとなっている飛べない小鳥、キーウィ・バードです。この鳥が、ニュージーランド人やニュージーランド出身を意味する俗語 「Kiwi(キーウィ)」の語源となったのです。マオリ語の借用語は、これまで以上に頻繁に使用されるようになっています。英語に取って代わるためではなく、常に進化し続けるニュージーランドの言語を多様化するためです。
他に注目すべきマオリ語の借用語としては、「kai」(食べ物)、「iwi」(部族)、「whanau」(家族)、「waka」(カヌーやボート)などが挙げられます。英語のような優勢な言語が、マオリ語のような主流でない言語から言葉を借りることはめったにありませんが、ニュージーランドでは疑いの余地なくそうなっています。熱狂的すぎるという意味の「Gung ho」は中国からの入植者の言葉ですし、「Ketchup」などの言葉もそうです。スコットランド語で小さいことを意味する「wee」も、主にサウスランド州で使われています。
Kiwiスラング
同種の言語であるオーストラリア英語と同様に、Kiwi Englishにもスラング用語に対する魅力的なアプローチがあり、ニュージーランド人以外の人は非常に困惑します。このスラングの多用とキーウィのアクセントが相まって、イギリス英語圏の人たちも頭を悩ませています。
汎用性の高い例としては、「chur」という言葉があります。この言葉は、「ありがとう」を意味する「Cheers」を合成されたものですが、同意、感謝、挨拶、別れを表すのに使うことができます。他の複合語の例としては、キーウィ語でビーチサンダルを意味する「jandals」という言葉があります。この言葉は、「Japanese」と「Sandals(サンダルに複数形のsが付いている)」を組み合わせたもので、履物のスタイルを表しています。
「sweet as」「Mint」「Preemo」などは、いずれも「良い」「問題ない」という意味で、強調のために 「as」を加えることが多いです(「fast as」「mean as」)。 ニュージーランドには、アクセスが困難な田舎や険しい地域がたくさんあります。キウイはこれらを「wop wops」と呼んでいますが、これは「人里離れた辺鄙なところ」という意味です。この言葉の由来ははっきりしませんが、マオリ語やオーストラリアのアボリジニの言葉で地名を言うのがいかに難しいかということを昔から言っていたのかもしれません。いずれにしても、素晴らしいフレーズですね。
「She’ll be right.」 は「no problem(問題ない)」「It’ll be ok(大丈夫)」という意味のスラングであり、女性の話という文脈は必要ありません。
キーウィの多くはのんびりとしたカジュアルな性格なので、「Cuz」「Mate」「Bro」などと呼ぶのを耳にすることがありますが、これは友人同士の間だけにしておきましょう。文化的には、フレンドリーでウェルカムなキーウィは、人にノーと言うのが苦手なのかもしれません。そのため、「Yeah Nah」は「ノー」を意味し、「Nah Yeah」は「イエス」を意味するという、希薄で不確かな表現になっているのかもしれません。奇妙ではありますが、素晴らしくユニークなKiwiのスラングでしょう。